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  1. 長野県議会 2022-12-14
    令和 4年11月定例会農政林務委員会−12月14日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    令和 4年11月定例会農政林務委員会−12月14日-01号令和 4年11月定例会農政林務委員会 農政林務委員会会議録(その3) ●招集年月日時刻及び場所   令和4年12月14日(水)午前10時30分、議事堂第4委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名    委  員  長        小 山 仁 志    副 委 員 長        宮 下 克 彦    委     員        佐々木 祥 二       同           鈴 木   清       同           依 田 明 善       同           小 林 あ や       同           池 田   清       同           中 川 博 司       同           毛 利 栄 子 ●欠席した委員の氏名    な し ●説明のため出席した者の氏名 (林 務 部)
       林務部長           吉 沢   正    林務部次長          坪 井 俊 文    森林政策課長         柳 原   健    信州の木活用課長       千 代   登    県産材利用推進室長      栩 秋 隆 哉    森林づくり推進課長      中 島   治    鳥獣対策室長         小 澤 岳 弘 ●付託事件   12月12日に同じ ●会議に付した事件  1 付託事件のうち1、2、4、7〜9、11、15、16、20、21、23〜26  2 林務部関係所管事務一般について ●開議時刻 午前10時27分 ●小山委員長 開会を宣した。  ▲日程宣告    林務部関係の審査  ▲議題宣告(林務部関係)    付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、委員の質疑等発言を許可した。 ◆依田明善 委員 おはようございます。それでは、よろしくお願いいたします。先日、農政林務委員会で、長野県の木材協同組合連合会の皆さんと懇談会を行いました。その中で、佐久穂町で素材産業を営む方からの発言で、もっともだなと思ったものがありました。どういう話かといいますと、この会社は、間伐や主伐、造材、搬出、運搬といった作業を毎日十数人の従業員の皆さんとやっているわけであります。ところが、この皆さんが植林や保育作業まで行うようになった場合、当然ながら出荷に関わる作業の効率が一気に落ちてしまいます。そうなると売上げも落ちてしまいますので、果たしてこれからずっと給料を払い続けることができるのかと大変心配をしておりました。昔はアルバイトの高校生や主婦の皆さんが本当に一生懸命、将来お金になると言われて一生懸命カラマツを植えたわけでありますけれども、それが今は期待できないということであります。ましてやボランティアも一過性のものですので、なかなか続かなくて、この方も以前は外国人を雇うことに非常に抵抗を持っていた方なのですが、いよいよ外国の皆さんにも頼らざるを得ない時代が来たのかなとおっしゃっておりました。長野県の森林づくり県民税に関する基本方針の14ページの取組を進めるに当たって、(1)にも、まさにそのことが書いてあります。再造林のみならず、下刈りや獣害対策といった初期保育の担い手の確保等を進めるとありますが、具体的にはこういった人材確保をどのように進めていかれるのか、外国人の件も含めてお伺いしたいと思います。 ◎千代登 信州の木活用課長 人材確保に関する御質問でございます。ただいま、森林づくり県民税に関する基本方針を引用して御質問いただきましたが、資料3の26ページをいま一度御覧いただければと思います。26ページの上段に、林業における担い手の確保・育成という図がございます。以前も御説明したかもしれませんが、こちらの左側に跳び箱の台のような絵がございまして、上から意欲と能力のある林業経営者、そして育成経営体が描かれており、46・47と小さい数字で書いてあります。この数字が会社の数です。その下にその他の事業体として、小規模な事業者を書かせていただき、多様な林業の担い手という位置づけをさせていただいています。上の二つは中核的担い手になります。そして、下のほうにも絵が描いてありますが、総合的にこうした皆さんのところにも裾野を広げて、担い手をしっかり確保していきたいという全体像であります。その上で、ここには人数を書いていませんが、現在1,500人ほどの林業従事者がそれぞれの事業体に所属する形で仕事をしている中で、毎年、100人ほどお辞めになるということです。ですので、安心できる担い手の目安として、毎年120人ほどを確保していきたいと考えておりますが、もちろん、通年雇用という形で入っていただくのが一番重要だと思っております。その上で、これから主伐・再造林を進めますと、一番の課題である夏場の保育や下草刈りに対する短期的な雇用も考えていく必要があります。これまでは支援策がなかったわけですけれども、森林づくり県民税では、この中段右の吹き出しにもありますが、多様な林業の担い手ということで、他分野との兼業・副業としての林業や就業環境の整備、安全対策等への支援を新たにしてまいりたいと考えているところです。トータルで見た場合には、3か月以上、あるいは通年雇用という長い期間を、安定的に働いていただける方を1,500人キープすれば何とか今後の面積を確保できるだろうということです。この数字は、これまで行っていた保育間伐の量が急激に減少してきますので、その分の労力も充てられるだろうと見込んでの試算でありますが、1,500人を保ちつつ、短期の夏場の皆さんについても支援していければと思っております。そのほか、いろいろな階層がありますが、まずは通年雇用新規就業者を優先的に確保しつつ、絵にありますように小規模な事業者の皆さんとの連携も促進してまいりたいと考えております。それから、地域によって、忙しい時期とある程度手がすく時期に差が出てきますので、保育従事者を雇用されている事業者についても、圏域を越えた労働力の流動やマッチングを促進してまいりたいと考えております。その上で、例えば小規模な事業者の皆さんによる他産業との兼業であるとか、一時的に従事する人材の受入れについても、補完する意味で手当てしていきたいと思います。これらの取組は、最初から地域の人材やボランティア人材を当てにするのではなくて、そういった皆さんを補完し、場合によっては、外国人の皆さんの受入れも考えていくということであります。ただ、外国人材に関しては、現在の技能実習制度で見ますと、1年を超える従事はできないということでありますので、国のほうで技能検定制度の創設と外国人材の活用の検討を進めているところです。比較的従事しやすい業務である保育作業等には期待できるかと考えておりますけれども、これは国の制度設計によるところもありますので、今後そちらにも注目してまいりたいと考えております。以上でございます。 ◆依田明善 委員 外国人技能実習生についてですが、林業に関してはなかなか進んでいないということです。農業には多くの実績があるわけですが、仕事的に見れば、木の保育などはそれほど重労働でもないし、先ほどのマッチングや労働力の流用といった、いろいろな工夫の中で十分可能だろうなと思います。ですから、ぜひ多方面を見ていただいて、施策を立てていただきたいと思っております。植林といった作業の大変さや効率化を考えていく中で、ポット苗というのがあります。最近、ポット苗は普通に出回るようになってきていて、我々もこの間ちょっと植えてきたのですけれども、裸の苗に比べて非常に扱いやすいし、専門の機械で穴を開けて上からスポッと植えて、あとは足でちょっと踏みつければそれで活着するということで、裸苗を使うよりも、3倍くらい効率が良くなるのではないかという感覚がしました。それから、苗の運搬です。昔は背負い籠、私たちはしょいっ籠と言って、後ろへ裸の苗をいっぱい積め込んで、それを山の中腹だとか持ち運ぶことがあったのですけれども、今は大変便利な、登山用の大型のバックパックがあって、その横のところに穴が開いていて、そこからすっとポット苗を出して植えるということもできます。また、今はドローンも当たり前のように使われておりますが、40キロくらいの重さであれば、苗を持って山の中腹や頂上に一気に持っていけるということで、運搬については大分日進月歩の感があるかなと思っております。植林の作業効率については、非常に大事なことだと思うのですけれども、昔に比べてどの程度効率化されているのか、データ等があればお聞かせいただきたいと思います。そして、現在における課題がどこにあるのか、今後の伸び代があるのか、御所見をお伺いしたいと思います。 ◎中島治 森林づくり推進課長 植林作業の効率化についての御質問をいただきました。まず、植林について、作業効率が昔に比べてどの程度効率化されているかと、そのデータについてでございます。まず、県内の中では、国有林の再造林が比較的進んでおりまして、国有林ではコンテナ苗を活用しまして、伐採から地ごしらえ、植栽までを一貫で行って再造林のコストを低減するという手法を進めております。また、県では、ちょっと前になりますが、平成29年、30年の2か年にわたりまして、国有林とも協力しまして、低コスト造林一貫作業システム導入促進モデル事業を県内9か所で行っております。その結果得られたデータとしまして、9地区のうち6地区ではコストが縮減されたそうです。そのうち4地区では1回目の下刈り作業を削減することができたというデータが取られております。削減できた理由としましては、グラップル等の大型機械を活用した地ごしらえ、あるいは林内運搬車、フォワーダによって苗木を運搬したという点が挙げられます。また、ドローンではないのですけれども、コンテナ苗による植林、苗木植栽の手間の軽減が挙げられております。削減の効果としましては、長野県内でも佐久地域で主伐・再造林が進んでおりますけれども、その事例としまして、従来作業では1ヘクタール当たり338万4,000円かかっていた事業費が、この一貫作業により約2割程度経費が削減できたというデータも取られております。ほかにも削減できなかった地区等もありますが、そういったところは松くい虫の被害地で、チップ化する経費がかかったり、あるいは風倒木等の処理でかかり増しになったという例があったようです。このモデル事業については、リーフレットを作成しまして、各事業体へ周知をして、参考にしていただいているところです。続いて課題としては、先ほど申し上げたとおり、佐久地域では地形も良く、比較的機械による地ごしらえも進んでいるわけですが、なかなか他の地域では機械による地ごしらえの導入が進んでいないということでございまして、導入できる地域については取組を普及する必要もあるのではないかと捉えております。また、今後の効率化を図るために、例えば真夏の炎天下で行うことになる下刈り作業については、今開発が進んでいるリモコン式下刈り機の導入などで労働環境の改善を図ることも一つの方法だと考えております。  また、今年度は、低質材利用促進実践事業としまして、主伐後の林内に残された枝葉や、タンコロと言われます建材としての価値が低い曲がりがある根元の部分等について主にバイオマス燃料としての利用を見込んで搬出するというモデル事業を実施しております。これらの低質材については、通常植栽前の地ごしらえをする際に、等高線に沿って筋状に積み上げた、棚という形で整理する作業が必要になりまして、そしてその棚と棚の間に植栽をいたします。このモデル事業の効果としまして、林内がきれいになり、棚として整理する手間が最小限となることから、再造林における効率化が図られるのではないかと考えております。このモデル事業の調査結果については解析中でございますので、また情報をまとめまして周知できればと思っております。加えて、次期森林づくり県民税において、10分の10の補助対象の一つの条件として考えているところですが、効率化の取組を進める箇所の再造林等で活用していただければと思っております。引き続き、国有林や他県での事例等を事業体にも紹介しながら、造林作業の効率化の推進に取り組んでまいりたいと思います。以上です。 ◆依田明善 委員 下刈りの回数を減らすこともそうですし、昔は密集させて植えて、後で間伐する形をとっていたけれども、今は最初から間隔を取って植えるという手法がとられているそうです。それでも収量的にはそれほど影響がないというデータも最近は出ているみたいなので、そういった最近の知見を生かしながら効率よくやっていただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。それから、今、植林や育林を専門に行う業者も出てきています。青葉組という会社がありますけれども、この会社は全く採算の見込めない林を1ヘクタール、大体3,000坪くらいをたった1万円ほどで買い取って、造林を専門に行うという会社だそうです。山の所有者が高齢になって手入れが全くできていない山もたくさんあるわけですけれども、そういった山を買い取って再造林だけを専門に行うのです。商売になるのかは疑問なのですが、様々なノウハウを活かして造林放棄地を買い取るサービスや業態について、どのようにお考えであるのか、また将来性はあるのか、お伺いしたいと思います。 ◎千代登 信州の木活用課長 造林放棄地を買い取って植林や育林をするというサービスに関する御質問でございます。青葉組の事例については、結構斬新な取組で注目されているわけですけれども、そもそもは苗木の生産や植栽、保育を専門にする企業と、森林の再生に関心を持っている民間企業が連携して展開している取組でございます。そもそも、苗木の生産や造林を専門に行う林業を行う会社というのは、主伐・再造林の時期に入り、全国的には主伐が先進的に行われている地域から徐々に設立されてきておりまして、長野県内にもちらほらと下請けで造林を専門に行う会社も出てきているところでございます。そういう意味では、造林には補助金が出ますし、オーソドックスなことを言えば、主伐で稼いだお金を少し投資していただいて、それで次の山を造っていくことになるわけでございます。しかし、こういった会社が安定的に造林の仕事を確保できるかというところが課題かなとは思います。実際にこういう会社ができれば、先ほどお話にもあったとおり、伐採する業者さんは伐採に専念できるわけでして、ぜひ同様の会社が、主伐・再造林が進むと同時に増加していくことを望むわけでございます。その上で、放棄地を買い取るサービスというのは、植栽をする場所を安定的に確保するという意味で、造林に関心のある民間企業から民間投資を受けて一緒に行うというお話でして、全く新しい取組であります。安定した事業量を確保するための一つのアイデアとして、私どもも注目すべき事業だと思っております。先ほど申し上げたように、主伐の利益を次の山につぎ込むということが一番王道だとは思いますけれども、今後再造林という事業の中で出てくるこうしたアイデアについては、私どもも期待を持って注目してまいりたいと思っております。 ◆依田明善 委員 分かりました。この間の長野県木材協同組合連合会との懇談会でもお話ししたのですけれども、今年10月に、農政林務委員会で、鹿児島県にあるMEC Industryという会社を視察しました。これは三菱地所グループなどが出資しているようでありますけれども、製造から販売まで一気通貫で行う木材工場ということで注目されているようであります。山から切り出した大木の杉やヒノキを集成材やCLTなどに加工して、しかもその板材を使って住宅を造って販売するということであります。この造り方は、大手のプレハブメーカーが、軽量鉄骨を使った工場で建物をほぼ造ってしまって、現場で組み立てていく方式と発想がほぼ同じだなと、調査していて思ったわけであります。これだとコストも抑えられるわけですし、地震にも強いということで、なかなか良い仕組みだなと思いました。値段もかなり安くできるということで、大手のハウスメーカーに対抗できる一つのシステムじゃないのかなとも思ったのですが、一番驚いたのが、木材を乾燥する設備が充実しているということであります。信州はカラマツが有名ですけれども、割れやねじれが出てくるということと、やにが多いということで、建築業界の皆さんからは大変嫌われております。今は高気密高断熱住宅が当たり前でありますし、未乾燥のものを使った場合は大変な状態になってしまうわけですが、乾燥技術がしっかりしていれば、カラマツも無垢の芯持ち材として十分構造材に使えるということであります。ただ、長野県においては、乾燥設備が非常に少ないという声もありますので、もっと充実させるべきだと思うのですけれども、その辺についてお伺いいたします。 ◎栩秋隆哉 県産材利用推進室長 木材の人工乾燥技術の普及等についての御質問をいただきました。委員まさに御指摘のとおり、人工乾燥というものは、木材をしっかり使っていくという観点で非常に重要なテーマであると私どもも認識をしております。今さらのことではございますけれども、北海道や岩手県でも既にカラマツ乾燥技術が使われているのですが、そもそもは昭和52年に林業指導所、現在の林業総合センターカラマツ乾燥技術の確立に向けた研究を始めまして、約10年をかけて脱脂、やにの抽出といった乾燥技術を確立したという歴史がございます。そうしたことから、松本市のやまびこドームやエムウエーブといった大断面の集成材といった、大きな施設に使われる販路を開拓したということで、非常に大きな成果を残してきているということでございます。今、委員の御指摘にもありました一般住宅向けに使うという観点については、平成10年に芯持ちの柱材の乾燥技術を確立して、普及が始まったという状況でして、現在は、公共建築物の法律等も施行されていて、さらにその人工乾燥材への要望が高まっていると認識しております。そうした中で、現在県内では32の工場が乾燥施設を持ちまして、乾燥材生産を行っていますが、全国の乾燥材生産率に比べますと、まだまだ低い状況になっております。我々としても、人工乾燥材が生産できる仕組みづくりを進めていきたいと考えておりますので、こうした面では、やはり製材工場さんの御要望等をしっかり聞きながら、必要な時期や規模とをよく把握した上で、施設整備の支援を検討していきたいと考えております。また、施設整備にはやはり経費がかかりますので、例えば乾燥施設を自分のところだけで持つのは無理だという業者さんがあれば、我々で配置しております県産材製品コーディネーターが中に入りまして、乾燥施設をシェアする仕組みづくりも進めていきたいと考えております。以上です。 ◆依田明善 委員 わかりました。集成材だとかCLTも工場で加工するので、そういう商品もありますけれども、無垢の材料をうまく使うということは、山の主に還元される利益率も大きいということです。ですから、ぜひそういったものをふんだんに使えるような施策を取っていただきたいと思います。私の質問は以上です。 ◆小林あや 委員 それでは、よろしくお願いいたします。大きなテーマとしては3点ありますが、その中から幾つか質問させていただきます。まずは森林整備についてですけれども、現場の声を聞いていくと、所有者の問題や職員不足の問題、活用の在り方、松くい虫被害との関わりといったことが大きく挙げられるかなと感じております。所有者の問題に関しては、山の所有者が県外在住者になってしまうとか、あるいは所有者が敷地を知らないとか、森林環境譲与税を使いたくても、高齢化による転居や相続による枝分かれで、連携が取れなくて進まないだとか、電線に倒木があったときでも、所有者が分からなくて連絡が取れないということでトラブルになった事例もあるそうです。行政としても段取りをつけられるところから進めようと思っているけれども、なかなか面的にまとめることが難しいというのが、現時点での課題であると認識しております。また、職員についても、森林経営管理制度などの財源に関しては充実しているものの、村役場では基本的に1人で何役もこなすことがありますので、段取りで非常に苦労しているという話も聞いております。そこで、所有者と連絡が取れない、あるいは境界が分からない土地があまりにも多いという実態に対して、どのように対応していくのかという点を、まずお聞きしたいと思います。さらに、民地に行政が手を入れる場合に、所有者の特定や意思確認に対して、職員1人にかかる負担が非常に大きいとの声もあります。財源確保ができても、どこから手をつけたらいいのか、どういう手順で進めたらいいのか分からないということから、県で手順書のようなものを作ってもらえないのかという意見について、どのように受け止めていらっしゃるかお聞きしたいと思います。 ◎柳原健 森林政策課長 森林整備に関しまして2点御質問いただきました。まず、所有者不明の関係でございます。土地所有の情報に関しては、国が法務局で管理している情報もありますし、あるいは県でも森林簿という形で土地の森林の情報を管理しています。また、平成31年、令和元年度から、市町村は林地台帳を整備することが義務づけられていますので、この三つの情報が森林に関する所有情報になります。地籍調査をした上で管理するのが基本でございますし、最終的には一番正確を期すものでございますが、なかなか林地に関しても調査が進んでいない状況にあります。このような中で、林地台帳と森林簿に関しては、市町村と連携しながら精度を高めていくという取組をしています。地籍調査は長野県を含めた全国的な課題でして、調査を進めるために、市町村の固定資産の税台帳を林地台帳に反映させることも制度上可能になるなど、少しずつ精度を高めるような取組が進んでいます。また、国の登記のうち、3分の1については登記されてから50年以上変更登記がされていないということですし、日本全体の土地の情報管理自体も非常に課題が多いため、いろいろな法改正によって、所有者が不明でも森林整備ができるような手続が進められているところです。そういった制度の活用も含めて森林整備が進むように取り組んでいきたいと思っています。  2点目の質問についてお答え申し上げます。職員の段取りの関係でございます。昨日、佐々木委員からの御質問で、今年の夏、市町村をいろいろ回らせていただいた際に、小規模町村では少ない職員でいろいろな制度に取り組まなければならず、非常に多忙感を感じておられることを実感しました。私どもも森林経営管理制度が始まったときに、かなり詳細なマニュアルを出してお示しをしています。しかし、私も行政職員として今年4月に来てから管理者研修を山ほど受けましたけれども、なかなか頭に入ってこない部分もありました。マニュアルや研修も一つの方法だと思いますけれども、やはり今の市町村の職員の状況を踏まえますと、地域振興局の林務課で市町村の状況をお聞きしながら、伴走型で支援していくのが重要かなと思っています。今はいろいろな制度が転換される局面でもありますし、地域振興局でもよく事情をお聞きしながら、市町村に応じたサポートをしていかなければいけないと思っていますので、マニュアルや研修は当然のこととして、人的な部分も含めてしっかり考えていきたいと思っています。 ◆小林あや 委員 法改正等に関しては、本県では現場で携わっている方からの声も多いですし、そういった存在こそが本当に国の制度を変えていくと思いますので、ぜひ国との連携も取っていただきたいなと思います。次に、カラマツが伐期を迎えているけれども、搬出してお金になるのか分からないので、目に見えて還元できる仕組みがあるといいという声もありました。補助金だけでは当然コストカバーができないので、採算ベースで見て、手を出すか決めているという現状があるようです。もう一方で、人工林が少ない地域は、財源や制度の関係もあると思うのですけれども、優先順位が下がって放置されてしまうことがあるそうです。広葉樹が広がっていても、カラマツなどに比べて活用策があまり多くないので、さらに放置されてしまうといった課題もあるようです。そこで、地崩れしやすい土壌や人工林が少ない地域への森林整備の推進についてはどのように考えているかということ、それから、広葉樹の活用策に対する調査研究を行っていただいて、情報提供していくべきではないかなと思うのですが、これらについてお伺いします。 ◎中島治 森林づくり推進課長 まず、天然の広葉樹林等の森林整備についての問いでございます。カラマツなどの針葉樹の人工林と違いまして、広葉樹は二次林も天然林もあるわけですけれども、通常の間伐等の施業により目標の森林に育成していくという概念が当てはまりにくい部分もあるため、委員もおっしゃられたとおり、進んでいない部分があるのかもしれません。よって、天然林、広葉樹林の整備をどう考えるかというところでは、やはり木材や薪、あるいはチップ等の活用を前提とした伐採により整備するなどの方法が考えられると思っております。また、主にコナラやナラ類になるかと思うのですけれども、広葉樹林で薪炭林等の利用が進んだ例も過去にはあります。伐採した後、萌芽更新といって、株から新しく芽が出てきて、それが株立ちして成長していったことにより繰り返し利用されてきた、いわゆる広葉樹の二次林もありました。しかし、その後利用されずに人の手が入らなくなり、頭でっかちとなっているパターンが県内でもありまして、それらが台風等の強風によって根返りといった災害を起こすという事例も少しずつ、散見されております。このような場合につきましては、今回お願いしている次期森林税事業において、市町村と連携した森林に関する課題等の解決のためのメニューの一つである、ライフライン等の保全対策としての危険木伐採の対象になるのではないかと考えております。また、全ての森林において森林整備が必要となるわけではありません。いわゆる急傾斜地などによくありますが、自然な状態で山地が保全されていている場合、いわゆる森林整備という概念だけではなく、山地災害そのものへの対策が必要となることもございます。そういった場合につきましては、まず市町村や地域振興局の林務課、場合によりましては農地整備サイドや建設サイドにも御相談いただきながら、具体的な現地を調査して対応を検討させていただくことが重要かと考えております。以上です。 ◎千代登 信州の木活用課長 広葉樹の活用に向けた調査研究という御質問でございます。県ではこれまでも広葉樹、特にコナラやクヌギ、ミズナラといった樹種についてはシイタケ原木として非常に活用してきましたし、最近では薪ストーブ用の薪の生産も非常に盛んであります。原木林の造成、あるいは有用広葉樹造林の手引ということで、林業総合センターを中心に林務部でまとめて普及をしてきたという歴史もございます。それから、針葉樹だけではなくて、しっかり価値あるものとして流通していく必要があるという考えの下で、近年では未利用広葉樹の材質の解明と利用方法の研究を進めております。これは民間企業と連携して、特にニセアカシア、ハリエンジュといったものの木材について、製品としての開発を行っております。また、化石燃料に頼らない広葉樹の乾燥技術の開発にも取り組んでいるところでございます。加えて、針葉樹の人工林のように真っ直ぐ伸びていかない樹種がほとんどでありますので、どれくらいの量が山にあるのか、なかなか把握しづらい部分がございます。現在は、正確に資源を把握するために、昨年までスマート林業の構築普及事業の中で信州大学と連携をしまして、レーザー計測等でスマート林業技術を活用した広葉樹の樹種の判別や、蓄積量の把握技術の開発、検証も行っているところでございます。本県には広葉樹の森林も多く存在しておりますので、広葉樹林の管理が進むように、今後も活用に向けた調査研究を進めてまいりたいと思っております。以上です。 ◆小林あや 委員 ありがとうございます。人工林が少ない地域の森林整備についてはまだまだ後回しにされている感があります。ですから、そういった特徴がある自治体等にはまたいろいろな情報提供をしていただけるとありがたいなと思いますので、よろしくお願いします。それから、おおむね100年後に向けて広葉樹と針葉樹をバランス良く配置するという目標も掲げていらっしゃるので、やはり広葉樹の価値についても情報提供していく必要があると思います。そこで初めて森林のバランスが保たれていくと思いますので、そういった御研究もしていただきたいと要望しておきます。それから、中には地域で出た木材を、地域で使っていく仕組みづくりを考えたいという自治体もあるのですが、多くの自治体は目の前の問題、例えば枯れた松の撤去の費用といった課題で精いっぱいです。ですから、中には里山整備より、松くい虫を何とかしてくれという村もあったりします。けれども、地域で出た木材を地域で循環させることは大きなサイクルにつながっていきますし、一生懸命頑張っている自治体も中にはありますので、そういった仕組みづくりに対する県の考え方や取組について教えていただきたいと思います。 ◎栩秋隆哉 県産材利用推進室長 地域における木材を活用した地産地消等、あるいは地域内の経済循環の取組ということで御質問いただきました。見渡せば長野県内の市町村でもいろいろな取組がなされております。御承知かと思いますけれども、例えば根羽村は、全村を挙げて杉の人工乾燥材に取り組んでございますし、朝日村や木曽地域の町村では、自分たちの町村有林材を使って役場庁舎を建設するといった取組をしています。あるいは委員会提出資料の中でも御紹介いたしましたが、信濃町が姉妹提携を結んでいる流山市の中学校へ木材を供給するといった取組もあるように、昨今、市町村で森林環境譲与税の活用が始まっている中で、独自の取組が進んでいると承知しております。また、今委員御意見の中にありました松本市においても、奈川地区では市と森林組合、そして県が連携して、主伐の実践的な取組を昨年から始めております。こうした取組を含めまして、今回の森林づくり県民税をお認めいただいた際には、主伐・再造林の適切な実施も踏まえて、里山の利用、あるいは県産材の利活用といった部分を総合的に展開していけるよう、地域の皆さんと一緒になって進めていきたいと考えております。今後についても、地域振興局、林務課を通して具体的な御相談を頂きつつ、一緒にやっていけたらいいなと考えておりますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。 ◆小林あや 委員 ありがとうございます。地域の皆さんと一緒に進めていくという言葉がありましたので、市民参加の里山づくりという観点に移りたいと思います。松本市では、森林再生市民会議というものが今行われております。3年かけて話し合うということで、この先50年くらいのビジョンを令和6年度末に策定する予定です。森林といってもイメージが漠然としているので松本市の森林はどうあるべきか、長期的に形づくる予定でいると聞いています。通常、こうしたビジョンの策定は行政や専門家の中でつくられていくものですけれども、松本市のこの会議の面白い点は、イベントを開催して、市民に参加してもらいながら、市民の声を吸収して決めるという方法を取っていらっしゃるということでした。直近でもイベントが開かれましたが、20人弱の参加があったということです。このように、市民参加型で里山に関するビジョンを策定することが非常に大事ではないかなと私は考えておりまして、今後こういう方法がいろいろなところに広まっていくといいなという願いも込めて、県としてどのような受け止め方をしていらっしゃるか、こうした動きに対してどう連携をしていかれる予定でいるか、お伺いいたします。 ◎柳原健 森林政策課長 松本市で行われております市民参加のビジョン策定の関係でございます。松本市の森林再生実行会議等でいろいろ検討されている内容については承知をしてございます。前段の再生に向けた提言については、私も拝見しましたけれども、松くい虫の問題を非常に重く捉えておられる点と、市民と森林の距離をよく考えていらっしゃる点に大きなポイントがあるのかなと考えております。特に、里山の利活用や、まちなかみどりといった、森林のいろいろな機能の点に触れられておられますけれども、松本で考えておられるビジョン自体は、県で今考えている指針と整合性が取れておりますので、連携は可能なのかなと思っています。また、今の検討状況の中には、県の林業総合センターの職員も委員という形で参加していますので、県の考え方も御提示させていただきながら、松本市の独自の課題と市民との関係自体をうまく取りまとめることができればいいなと願っています。こういう状況は、松本市にもありますが、例えば伊那市で50年先の森を考えるビジョンというのも出ていまして、国の補助金も活用しながら、かなり先進的な取組もされています。また、安曇野市でもこういったビジョンをつくられておられます。先ほども申し上げましたが、市町村に行政的なビジョンを求めることは、職員の多忙感にもつながりかねないので、国や県で押しつけがましくつくらせないという方向もありますが、市民参加で自らの土地の森林について考えて、さらにそれを行動に移していくという観点では、非常に参考になると思っています。今回、森林づくり県民税を活用した取組の中では、やはり県民の参加という部分が非常に大きいと思っていますので、こういう松本市の取組ですとか、他地域で計画、実行されているものについては常に参考にしていきたいと思っています。 ◆小林あや 委員 整備のために税金を徴収しているなら、多くの市民を巻き込んで、森林の活用について考えていくことが大事です。またその一方で、森林所有者についても、自分たちの土地に税金を入れることがどういうことを意味するのか、同時に認識していただく必要があると思います。ですから、税金を払う側と受ける側と、その両方が互いの認識を高め合い、信頼関係を高め合っていくことが必要ですので、こうした取組が多方面にわたっていくといいなと思っております。ぜひ時代に即した合意形成の在り方へについて御研究いただきたいと要望しておきますので、よろしくお願いいたします。  最後に、野生鳥獣対策についてです。鹿、イノシシが今までにない荒らし方をしていることから、極端に増えているのではないかという声が上がっております。先日も農政部で鹿の食害について少し触れましたが、野生鳥獣対策についての具体的な手段はこちらの部局と伺っておりますので、質問させていただきます。公園の芝が一気に荒らされてしまって、とんでもない状態になっており、イノシシが公園のミミズを食べているのではないかと予測されているそうです。また、鹿についても、筑北村ですと5月から9月の間に600頭近く駆除していて、このままだと1,000頭を超えるのではないかという話も聞こえてきます。ですから、ただ駆除するだけではらちが明かないので、抜本的な対策が必要ではないでしょうか。例えば、生殖ホルモンを抑制するピルをまくといった、生殖に着目をした対策を取るとか、あるいは先進的・医療的な技術もいろいろと含めて研究し、対策を講じていく必要があるのではないかと思いまして、そういったことについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。それから、もう1点、松本工業高校が、企業と共同で、何の動物がわなにかかったかを知らせるシステムを開発しているそうです。処置の仕方が動物によって異なるために、何の動物か分からないと、全ての可能性を含めた体制を整えなければならないという背景があるようですが、スマホに何の動物がかかったかを通知する仕組みができると、通知に応じて迅速に処理ができるのではないかと期待されています。こうした研究開発に対して情報収集しつつ、今後連携したり、成果によっては設置支援を考えていったらどうかと思うのですけれども、お考えをお願いいたします。 ◎小澤岳弘 鳥獣対策室長 2点、御質問いただきました。1点目の野生動物に対する生殖抑制の対策についてでございます。昨日もお答え申し上げましたとおり、県内に生息している野生鳥獣のうち、鹿については委員おっしゃるとおり生息数を抑えていかなければいけないという課題がございまして、捕獲の対策等を進めているところでございます。しかし、委員御指摘のような生殖の抑制の対策につきまして調べたところ、海外では雌鹿が妊娠できなくなる注射薬を使用している地域があるのですけれども、この薬は日本ではどうも使用できないようです。一方、国内では、鹿の繁殖抑制を目的として不妊化ワクチンの接種の研究が進められており、ラットだとかヤギでの効果は確認されているとのことです。ただし、今後研究が進められて、仮に鹿への効果が確認できたとしても、多くの個体を対象として、一斉に接種をするような措置が必要になる場合、なかなか実現が困難ではないかと考えてございます。生息数抑制につきましては、現在最新の技術を用いるなどして、効率的な捕獲に努めつつ、ジビエ利用への推進といった持続的な取組を目指しているところでございます。また、捕獲だけではなく、いわゆる里地、人間の生活域を餌場としてしまうと、それが野生鳥獣の繁殖を促すことになってしまいますので、人間の生活域で餌を与えないような取組、すなわち侵入防止柵を造ってしっかり守ることや、緩衝帯の整備、廃棄果実等の除去を徹底することで、鳥獣の繁殖を抑えることも、根本的な対策として非常に重要であると考えるところでございます。  2点目の御質問でございます。わなにかかった動物を判別できる仕組みなどを導入して捕獲を進めることについてですけれども、今委員から御指摘があった松本工業高校が企業と連携して開発しているものにつきましては、AIでネズミを識別して、ドローンを使って自動で追い払うといったかなり先進的な取組であると聞いております。加害個体を確実に捕獲するだとか、今課題になっております錯誤捕獲を防ぐという観点で、獣種等を選択的に捕獲できる仕組みは、もしできるのであれば非常に有用であると考えております。なので、野生鳥獣を対象としてどの程度活用できるかについては未定かと思いますけれども、今後も注目してまいりたいと思います。なお、調査段階での取組ですけれども、現在センサーカメラやドローン、GPSを使って捕獲対象個体の行動や出没状況等を調査して、効果的な捕獲を行っているところでございます。そういった最新の技術を使った直接捕獲は今後の導入になるかと思いますけれども、費用との兼ね合いもありますし、遠隔操作の必要も出てきますので、電波環境を考慮しつつ、より効果的な捕獲を検討してまいりたいと考えております。 ○小山委員長 午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時28分 ●再開時刻 午後1時28分 ○小山仁志 委員長 再開を宣し、委員の質疑等発言を許可した。 ◆池田清 委員 それでは、資料に基づきまして何点か質問したいと思います。最初に、森林づくり県民税の認知度の向上についてお伺いをしたいと思います。いよいよ4期目のスタートを迎える条例が出ているわけですが、使い道や金額以前に、森林づくり県民税そのものに対する認知度が大変低いというアンケート結果が出ています。これは大変残念なことです。これまで3期にわたって森林づくり県民税を実施してきましたが、なかなか県民に伝わっていないということです。このことは4期スタートに当たってもやはり大きな課題になるかと思いますが、今後の認知度の向上についてどのように取組をされますか。 ◎柳原健 森林政策課長 森林づくり県民税の認知度の向上について御質問をいただきました。さきの定例会でも認知度の点についてはいろいろ御質問、御指摘をいただいて、我々としても非常に課題だと感じています。使途を知っているかという点については、8割弱の方が知らないと回答しております。ただ、森林づくり県民税という名称自体は6割以上の方が知っているということですので、名前は知っているけれどもどのように使われているか知らない方が非常に多いという認識でございます。1期、2期はどちらかというと里山の間伐ということで、ふだん目にしない森林の整備に使われていたということもあって、なかなか認知度向上が上がらないということもあったのですが、3期は用途をかなり広げてきました。それにも関わらずまだ浸透が図れていないという点については、我々としてもテレビやコマーシャル、SNS等を活用しておりますけれども、それが効果として結びついていないし、必要な層に適切な手段で届けていないということですので、反省をしながら進めているところでございます。前回の定例会でもいろいろ御意見がありましたので、我々としても非常に課題だと思っていて、県民会議の中で皆さんのお考えをいろいろお聞きしました。その中で、費用対効果という部分から、例えば地元の方がよく見る地域のケーブルテレビの活用や、世代等ターゲットを絞ったイベントや周知を行ってはどうかと御意見をいただいたところでございます。また、長野県の広報は、「広報ながのけん」という形で年に数回実施をしていますが、私ども林務部以外も載せてほしいということで非常に競争が激しくて、なかなか紙面を割いていただけないのですけれども、今回は森林づくり県民税の継起の場でもありますので、近いうちにかなりの紙面を使って広報していきたいと思っています。このように、限られた財源の中でいろいろと実施していますが、まだまだ効果が上がっていませんので、様々な方のお知恵をいただきながら、手を打っていかなければならないという認識でございます。 ◆池田清 委員 身近に里山を抱えている、あるいは林業に関係する皆さんにとっては、決して関心がないわけではないと思います。一方で、法人県民税の均等割ということで、5%が徴収されていまして、1年で大体7億円くらいになるかと思うのですが、全体ではどのくらいの割合を占めているのですか。 ◎柳原健 森林政策課長 個人と法人とで徴収をしますと、大体6億8,000万円くらいになりますけれども、内訳としては、個人で5億6,000万円、法人で1億2,000万円程度になります。これは過去5年見ても大体そういった額で推移してございます。 ◆池田清 委員 このアンケート調査の対象には法人の皆さんも入っていたのですか。現下の経済活動が厳しい中においては、法人も決して少なくないお金を納めていると思います。そうした中で、環境について大変意識の高い法人から、そうでないところまで、いろいろな温度差があると思うのですが、法人の皆さんの受止めはどういう状況ですか。 ◎柳原健 森林政策課長 法人の方の受止めですけれども、今年の夏のアンケートは個人の方、企業の方、いずれも実施をしております。基本的に回答の傾向は同じでございまして、コロナ禍で非常に経済が揺らいだ時期ではございましたけれども、森林税の継続に賛成の御意見をいただき、その負担についても、個人の方は500円、法人の方は現行という部分に非常に多く御回答いただきました。 ◆池田清 委員 いずれにしても、個人は1期5年の中で2,500円を納めることになると思いますけれども、税の有効活用も含めて、認知度の向上のために取り組んでいただきたいと思います。そうした中で、今回の森林づくり県民税、さらには森林環境税の徴収が始まりますので、それぞれの使途も重要な課題ですし、本県は森林県から林業県への転換を大きくスローガンでもうたっていますので、知事も言っている林業県という言葉を、身近に感じられる実績が出せるように、取組を進めていただければと思っています。また、再造林を進める中で、やはり人材の確保は大変重要な課題だと思います。農政委員会でも質問がありましたけれども、これから皆伐や主伐をし、そしてその後も地ごしらえをして植林を進める中で、それを支え、担っていく人材がなければ、いくら公費で10分の10の補助を出すといっても、絵に描いた餅になってしまいます。50年も前のことですが、私も自分の山の30度近い傾斜地を、杉の苗を背負いながら祖父と一緒に植林した覚えがあります。特に夏場は蜂や蛇がいる大変な中で植林しましたし、それから下草刈りもしました。長野県木材協同組合連合会との話合いの中でも大変すばらしい意見や、目からうろこの部分もありました。伐採と植林の両方を担うのはやはり難しい部分もあります。しっかり植林をし、そして保育をし、見守っていく必要性があると思いますので、人材確保について、改めてどのようにお考えかお聞きします。 ◎千代登 信州の木活用課長 人材確保に関する御質問でございます。午前中の依田委員への答弁でも申し上げましたが、現在1,500人の林業従事者で県内の林業が回っているわけですが、これから主伐をしますと、間伐の量は適齢期を過ぎて少なくなってきますので、その際に造林に取り組んでいただくことを想定しております。なので、現在の主伐の切り手の方は、1,500人中、大体900人程度をシフトすればよいのではないかと考えています。いきなりこの900人が主伐に取り組むと、とんでもない量の主伐をしなければいけなくなりますので、徐々に進めていくわけです。また、今の1,500人でいきますと600人ほどが造林や保育を担当している皆さんになりますが、退職する方々の分をしっかりと確保していかなければならないので、その方たちに対する手当の充実も引き続き図っていくことを考えています。そのような問題意識の下で、今度の新たな森林税案の中では、これまで支援をしてこなかった小規模な林業事業体で働いている皆さんや、比較的季節的、短期的な雇用の皆さんにも支援をしながら、これから徐々に増えていく再造林に対応できる体制をつくってまいりたいと考えております。 ◆池田清 委員 前段で1,500人という、圏域全体のマクロの話になりますけれども、それぞれの事業体や森林組合などで支えている皆さんと、それを裾野で支えている皆さんとの圏域間のマッチングといった課題もありますし、いわゆる外国人技能実習生の課題なども出ていましたけれども、全ては現場での話なので、それぞれの事業体や団体とのコミュニケーション、あるいは直接生の声を聞いてもらうことが大事だと思います。私もこの任期で初めて参加しましたが、長野県木材協同組合連合会との懇談会については、なかなか示唆に富んだ会でしたし、それぞれ見識も高く、これから先のことも見据えたすばらしい意見もありました。こうした経験も踏まえると、机の上で数字をいじれば、1,500人のうち600人や900人等いろいろなことも言えますし、国の技能実習生についても制度設計がどうだと言えますけれども、そうではなくて、やはり現場の声を直接聞いてもらうことが大事だと思います。それこそ細かい話ですけれども、長野県木材協同組合連合会とそうした意見交換の場は設けられておりますか。 ◎千代登 信州の木活用課長 関係団体との意見交換に関する御質問でございます。私ども同じ問題意識を持っていまして、より現場に近い皆さんの声を政策に反映することは非常に重要だと思っております。例えば長野県木材協同組合連合会も含めた、県の森林組合連合会という団体もございます。こちらは森林組合を所管している県的な団体でありますけれども、県の林務部との定期的な施策に関する意見交換会というものを、年2回開催をしているところであります。それから、毎年事業に関する説明や、それに対する御意見をいただく機会ということで、それぞれの地域に森林組合や林業事業体がございますので、そういった皆さんを集めて説明会等も開催しているところであります。こうした中で、先ほど委員おっしゃるように、労働力の流動化という、そのマッチングへの支援についてのお話もありまして、令和3年度からモデル的にマッチングの委託事業を実施しているところでございます。外国人材の関係もいろいろコミュニケーションを重ねつつ、安全上に問題があるかどうか、それぞれの事業体の皆さんから聞き取りを行っているところであります。そういった課題も踏まえて、今後に向けてあらゆる方向で人材の確保や育成について考えていきたいと思っていますし、その上では業界の現場の声を重要視していきたいと考えております。 ◆池田清 委員 この委員会で長野地域振興局や松本地域振興局に視察に行った際も、森林組合の組合長さんから直接要望を受けました。そうしたことを我々が聞いて、そしてまたこの委員会を通して理事者の皆さんにお伝えするとはまた別に、直接お話を聞いていただくことが重要ではないでしょうか。この委員会に改めて要望があるということは、なかなかその要望が実現していないことの裏返しだと思いますので、ぜひ現場にも足を運んでいただきたいと思います。外国人技能実習生は言葉の問題もありますし、伐採という危険な作業も伴う中では、まさに命に関わることですから、採用についてなかなかためらわれる部分があると思うのですが、造林や保育についてはぜひとも業界の皆さんとしっかり意見交換をしていただいて、一歩前に進めていただければと思います。  それから、乾燥機のニーズについてです。これも依田委員から質問があったのですが、長野県木材協同組合連合会との話の中でも、やはり無垢で、大径のカラマツを乾燥する機械が必要だということを力説されていました。先ほどの質問の中でも、長野市のエムウエーブや養護学校などでカラマツを使った際に、先駆けとして技術を確立したのは長野県の林業センターの職員であるというお話もありました。JAS認定を受けた際に歪み強度の認定の範囲内に収めるためには、それなりに専門的な知識と、技術や経験が大事ですし、そうした技術をお持ちの職員を、林業センターで継続して雇用する必要があると思います。しかし、第一線で働いている方が退職されることも聞いておりますので、先進的な技術の継承をどのように確保するのかお聞きします。 ◎栩秋隆哉 県産材利用推進室長 林業総合センターにおける乾燥技術と先進的な技術の継承ということで御質問いただきました。まず、林業総合センターの木材部に関しましては、先ほどの乾燥技術の研究や、そのほか木材の利活用に関する様々な企業の要望等に対応する形で研究開発を行っております。依田委員の御質問にもお答えしましたように、様々な施設への利用であるとか、あるいは今御質問のありましたJASの工場認定に関する試験研究にも木材部の職員が深く関わって取り組んでおります。こうした中で、技術の継承がしっかり行われているかということでございますが、先ほど来申し上げている試験研究というものは1年、2年で決してできるものではございません。昭和52年から始まっているものが連綿と続けられておりますので、今後もしっかりと継承していくように取り組んでいきたいと考えております。なお、先ほど池田委員からも1点御指摘ありましたが、現在林業総合センターでは、大径の無垢材をしっかり利活用していくための試験研究を進めております。特に住宅のはりや桁という横架材は、今まで外国産材がほとんど市場を席巻していたのですが、こちらの研究成果が実りますと、また新たな市場開拓につながりますので、我々としても非常に期待しつつ、こうした技術をしっかりと継承していきたいと考えております。以上です。 ◆池田清 委員 長野県は全国においても技術的なトップランナーでありますから、ぜひとも継承していただきたいと思います。それが実現すれば、地域の製材所で素材を生産し、それがまた工務店に供給できるというように、いい循環がつくれると思います。長野県木材協同組合連合会の会議の中でも、製材所を経営されている方がおっしゃっていましたが、昭和50年代に約900社近くあった製材所が現在100社に減っていて、実際に稼働しているのは30社から50社くらいと、それだけ製材所がなくなってきてしまっているそうです。そうすると、山から切り出した丸太を県外にわざわざ運んで、製材して、それでまた県内に持ち込むことになりますし、CO2に換算してもどれだけの無駄があるかが分かると思います。すぐ県内で製材ができれば、大変環境にも優しいわけですし、ぜひともそういう面でも製材所に対する支援が必要かと思うのです。今回の補正の中でも製材所に対して8,060万円の補正がついていますし、ニーズを聞いた上での額だと思いますが、乾燥機についての要望はなかったのでしょうか。 ◎栩秋隆哉 県産材利用推進室長 今回の補正予算案に関連しまして、乾燥機のニーズという御質問をいただいております。従来であれば、補正に先立ちまして、毎年度こういった木材関係の施設整備事業に係る要望調査を事業体に行い、予算編成を行って、2月に事業として提案をさせていただくという流れになっています。今回の補正につきましては、県産材の競争力を高めることを目的にしております国の経済対策事業を活用する観点で、令和5年度に要望をいただいているものの中から、緊急性があり、前倒しで実施が可能なものについて、事業主体と相談の上、今回の予算要求に反映いたしました。次年度については、製材施設や乾燥機、あるいは木質資源を利用したチップボイラーについての要望をいただいておりますので、それを踏まえて予算編成を行いまして、また要求をさせていただきたいと考えております。以上です。 ◆池田清 委員 そうした予算要望を受け止めて具現化していくためにも、普段から懇談や交流、意見聴取を実施する必要があると思います。国の緊急対策でこれだけ予算がつきますからと急に言っても難しい部分もありますし、長年にわたる課題もあると思います。これからも様々な団体と連携し、情報交換を続けていただきたいと思います。今回の県外視察では、鹿児島県や熊本県で大きな素材の生産工場を見てまいりました。採算と効率性の観点から、長野県でも何万立米という大規模な工場を造って、そこに県内の様々な材を集めて製造できればと思うのですが、地理的環境もありますし、専門家に聞きますと、東北信や中南信によって材木の質や気候風土も違うということなので、なかなか難しいのではないかとも思います。なので、四つの地域に中規模的な拠点を作って、そこに多くの製材業者が集まって、自社のことだけではなくて近隣の皆さんとも連携していくことができれば、より効率的に業務ができますし、また工務店へ様々な材木を供給することも可能になるのではないかとのお話も伺いました。先ほどコーディネーターがおいでになるというお話も聞きましたけれども、これから林業県長野が素材を生産していくために、そうした中規模的なものを整備していくことも一つの方策かと思うのですが、所見をお伺いします。 ◎栩秋隆哉 県産材利用推進室長 今、中小規模の工場等を生かしながら、長野県らしい流通体制をつくっていくという御提案をいただいたと認識しております。今般の定例会の一般質問で、大畑議員の御質問に対しまして部長からもお答えをいたしましたとおり、長野県内の小規模分散的な製材工場を生かしていくという観点では、製品の競争力や供給力を増大させていく、あるいは市場流通性を上げていくために、先ほど委員からも御指摘のあった人工乾燥材の生産体制を強くすることが大事だと認識しております。しかしながら、一製材工場で取り組むことはなかなか難しいので、製材工場間で水平の連携を取る仕組みづくりや、地域の木造住宅に対して直接製材品等を供給できるような、川上から川下までの垂直的な連携をしっかりと形づくるためにも、今御説明いただきました県産材製品コーディネーターの活動を、来年度の事業構築に向けて強くしていきたいと考えているところでございます。以上です。 ◆池田清 委員 水平連携と垂直連携というお話がありましたけれども、それがうまくかみ合っていくと、地場の製材所で素材を提供していただけますし、地元の工務店でも1年間の住宅の供給戸数が50棟や100棟にもなるような計画をつくることができて、さらに地元に供給する体制もつくれると、地場での好循環が生まれます。今まで林業は大変厳しい中にあって、それぞれの製材工場やいろいろな業者が自分のことを中心に考えていました。そうした今までの方向とは違って、地域全体のことや、これから50年先、100年先のことを考えて、周りと連携して林業を盛んにしていくという考えはすごく大事ですし、それが森林県から林業県への転換を果たす契機になり、そしてまたすばらしい県産材を使った住環境がつくれることの道筋になるのではないかと思うのですが、部長、御見解ありましたらよろしくお願いします。 ◎吉沢正 林務部長 ただいま委員のほうから多岐にわたる御意見、御助言をいただきました。川上においては、今まで間伐だったところから主伐をし、またそこに植えるという再造林に力を入れていきたいと思いますし、出てきた木を流通させていく仕組みにおきましても、ただいまお話のありました事業者間、製材所、事業者間での水平の連携や、川上から川下の垂直連携が大事だと思っています。また、流通した材が県内で活用されるためには、今取り組んでいるウッドチェンジであるとか、昨日来もお話のありました県産材をはじめとする材が地域で使われるような取組も重要だと思っていますので、川上から川下までがうまく循環できるような仕組みづくりについて、鋭意これからも取り組んでまいりたいと考えております。以上です。 ◆池田清 委員 以前、木造住宅を1軒造るにも約200本の木が必要だというお話をいただきました。私の森林の中には、200本切るだけの整備された森林はありませんけれども、少しでもそれに近づけるように整備をして、最終的に家を改築できればと思っています。森林づくり県民税森林環境譲与税が活用されて、森林県から林業県へという林務部が進める方向性がしっかり県民にも理解されることをお願いして、質問を終わります。 ◆中川博司 委員 よろしくお願いします。最初に、これまでの森林づくり県民税の地域ごとの使い方の状況について教えてください。広く県民から集めているけれども、うちの地区にお金が落ちてこないといった話はあまり聞かないのですが、どのように使われているか教えてください。 ◎柳原健 森林政策課長 森林づくり県民税に関する地域ごとの状況という御質問でございます。私どもは、毎年事業の実施の成果を取りまとめて、それをメニューごと、かつ地域振興局別の執行額ごとにお示ししております。現在の第3期も、昨年までの状況はお示ししております。もともと広域が10か所ありましても、市町村ごとに森林の状況は違いますので、10か所の地域振興局が押しなべて均等の額になるものではございません。第3期の状況で見ますと、市町村には、森林づくり推進支援金ということで、人口や森林面積に応じた定額の配分がございます。そういったところは、例えば市町村数や森林面積に応じて、推進支援金分が少し多めに配分されてございます。ほかの事業については、事業の公募や優先順位を勘案して事業を実施してまいりました。例えば里山における防災、減災の部分については、航空測量やレーザー測量で県下全体の危険度を判別し、その中で優先順位をつけて現地を確認し、更に市町村が作成した方針の下に実施するという手順を取っている事業もあります。あるいは、市町村によってはいろいろな木を使うといった観点で公募を実施しているところもありますので、結果的に、地域振興局ごとにばらつきが出る場合もございます。これについては、地域の県民会議というものがございまして、私も、今年は3か所ほど参加し、意見を聞いてきました。やはり地元の皆さんからすると、こういった横並びの状況はかなり気になる部分もあるようで、なぜうちはこういう状況なのかという御意見や、来年に向けて、こういった事業に事業費を持ってくるためにはどうすればいいのかという御意見も活発に出ていました。地域会議では、事業実施の評価だけでなくて、森林税を財源として、地域の森林の様々な事業にどのようにつなげていくかというところでも、非常に活発な議論が交わされていましたので、地域振興局に対する非常に大きな動機づけになっているのかなと思います。 ◆中川博司 委員 ありがとうございました。9月定例議会でこの森林づくり県民税の使い方について質問したところ、会派のほうにメールが来ました。一つは、これは二重課税ではないかという話です。上田市に住んでいるが、青木村にも別荘があるので、両方から森林づくり県民税を取られているということでした。それから、森林環境税が始まるが、今の物価高の中では負担感が非常に強い、というお手紙をもらいました。知事にもお手紙で出したと聞いていましたので、多分これは税務課の対応になるかと思いますけれども、一応林務部でも聞いておきたいので、よろしくお願いします。 ◎柳原健 森林政策課長 森林づくり県民税の徴収の関係の御質問でございます。今回条例でお願いしています森林づくり県民税につきましては、均等割の超過課税方式ということで、個人の方には年500円、法人の方には均等割額5%でお願いしています。個人の方に関しては、いわゆる市町村の住民税の均等割に超過課税という形で課税をさせていただいています。この制度に関しまして、先ほど来、二重課税というお話がありましたが、市町村に住所を有している方と、住所を有していない市町村に家屋敷を持っておられる方についても、住民税均等割が徴税されます。これは、いわゆる家屋敷をお持ちの方も、道路や防犯、消防など、いろいろな行政サービス、社会的費用がかかりますので、そういった観点で御負担をいただいているものでございます。以前に、同じ県内の住所地以外の市町村に家屋敷を持っている場合についても均等割がかかることは、二重課税ではないのかと訴訟になった例もございます。ただ、判決としては、やはり住所地以外に家屋敷を持っておられる方についても、その分多くの行政サービスを受けているという点と、個人の均等割自体が低額なので、租税負担の均等にも配慮されている点、あるいは賦課徴税事務の簡素化や、確実な徴税という観点で、有用であるという結果が出ております。  森林づくり県民税に関しては、これまで3期15年実施してまいりましたが、当初から住民税均等割、超過課税方式で実施をしております。これは、先ほど来の社会的費用の部分と重なりますが、森林づくり県民税においても、住所地以外のところに家屋敷をお持ちの方も、例えば水源涵養や県道の保全、保健機能といった森林の広域的機能の恵みを受けているという観点で、このような徴税方式を行ってございます。この制度につきましては、当初の段階で、自動車税に課税する形や、あるいは法定外の目的税として徴収する形など、いろいろな税目を検討した経過がございます。ただ、徴税コストや初期費用という観点から、これがベストということで制度を実施してきた経過がございますし、森林税として超過課税で税を徴収している、長野県を含めた37府県に関しても、全く同じ手法で行ってございます。 ◆中川博司 委員 それと、森林環境譲与税の関係についても、説明をお願いします。 ◎柳原健 森林政策課長 失礼いたしました。今、市町村に対して譲与されているのは森林環境譲与税でして、令和6年から森林環境税として国民の皆さんに対して1,000円の徴収が始まります。これは、今の地方税法の枠組みではなく、新たに国税として、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律ができまして、住所地がある市町村に対してお一人1,000円の徴税が開始されますので、森林づくり県民税のように家屋敷云々ということではございません。負担感というお話もございましたが、確かに、今回森林づくり県民税の継続をお願いするに当たって、いろいろな説明会の中でも、森林環境譲与税で使う部分と森林づくり県民税で使う部分について、しっかりと市町村とすみ分け、役割分担を決めて実施していくと御説明してきたところです。しかしながら、なかなか森林自体が手つかずで、どちらかというと手が入っていない森林もたくさんございます。そういった森林を整備するための財源として森林づくり県民税や森林環境税を原資とする森林環境譲与税を使っていかなければいけない時代を迎えていますので、しっかりと対応していきたいと思っております。 ◆中川博司 委員 すみません、少し想定していた説明と違いました。今、防衛費増の問題で、復興税の所得への課税について議論されていますけれども、復興税の均等割課税が令和6年からなくなるので、それに代わって森林環境税を入れると説明を聞いているのですが、いかがですか。 ◎柳原健 森林政策課長 復興税については、いろいろな所得割に復興税の税率を掛けて徴収するものですが、今、地方税として県と市町村に対して500円ずつ実施をしているものは、令和5年までの時限的な措置になり、令和6年から森林環境税という形で徴税が始まる形になります。御負担いただく分については、根拠法が違いますので、全くオーバーラップしないものになりまして、その個人の方についても、復興税として1,000円負担していたものが終了し、森林環境税である1,000円の徴収が始まるという説明をしていると思います。 ◆中川博司 委員 そうした説明も必要かなと思います。さて、次はもう少し踏み込んだ質問をしますが、県民の皆さんから再造林に当たり、環境への配慮などについて質問がありまして、今日の説明の中でもガイドラインをつくるという話がありました。どのような課題の下にガイドラインを作成したのか、もう少し具体的に説明をください。 ◎千代登 信州の木活用課長 今、検討を進めております主伐・再造林のガイドラインについての御質問でございます。どのような課題の下にという点ですが、再造林を行うには、場所はもちろん、その前の主伐や伐採が適切に行われているかが非常に重要でして、その上で適切な再造林を進める必要があります。その上で、主伐を行うと、一面の森林がなくなることから、法律上しっかり定められている手続や施業の制限を遵守しているかが一つ重要になってまいります。さらに、景観や防災上の観点も踏まえながら、林地が適切に保たれているか、荒れる形の作業になっていないかという観点に立ちつつ、現地に適した作業をいかに行うかという点が重要になってまいります。加えて、伐採のときに発生した枝葉や、搬出しても売れないものが、谷筋等に堆積していないか、しっかり整理されているかという点も重要であります。こういった課題を適切に分かりやすくまとめて、事業をする皆さんにガイドラインとして示したいと考えております。具体的には、事業体で伐採を担当する皆さんが、配慮すべき項目や事項等を一つ一つチェックして評価できるような内容のガイドラインを作成してまいりたいと考えてございます。以上です。 ◆中川博司 委員 皆伐については、防災上の面で心配する県民の声がたくさんあります。いろいろな施業の仕方があるので、そこをしっかりガイドラインの中で示すことが必要だと思います。また、皆伐した跡地に太陽光パネルがつくられたら困るという話もあります。こういった林地開発許可申請に係る問題や、森林法の改正についても議論がされていますので、適正に行われるようにお願いしたいと思います。次に、松枯れ対策協議会を主体として実施してきた、皆伐後に天然更新された森林についての質問であります。私の地元でもその事業を使ってきたのですが、天然更新なものですから、どうしても集中豪雨等で山が荒れてしまうことがあります。なので、この点についても、やはり森林づくり県民税を使って再造林の対象にしたらどうかと思うのですが、そのお考えはどうでしょうか。 ◎中島治 森林づくり推進課長 松枯れ地の皆伐で、天然更新時の再造林の補助の適用についての問いでございます。通常、松枯れ対策で、いわゆる森林づくり県民税ではなく国庫補助事業で自主転換を行っているところにつきましては、皆伐施業と同じになりまして、皆伐やその後の植栽まで補助金で手当てをするといった事業がございます。今回、委員がおっしゃっている事業は、それ以外に被害地を皆伐して天然更新に委ねるという部分だと思いますけれども、こういった場合につきましても、御審議いただいている次期森林づくり県民税において、10分の10の再造林の対象になる場合があると思います。全てが対象になるかどうかは状況によるかと思いますので、その点はしっかりと現地機関等と御相談いただいて、対象になるかどうかの確認をしていただければと思います。 ◆中川博司 委員 よろしくお願いします。次に、これは前回も質問しましたけれども、防災・減災の間伐に必要である1,500ヘクタールという目標についてです。数字上の話ではなくて、伐採を必要とする具体的な林地を示さないと、なかなか県民は納得できないという質問をしましたが、その点についてもう一度お聞かせください。 ◎中島治 森林づくり推進課長 9月定例会のときにも委員から同様の御質問をいただきまして、1,500ヘクタールの数字的な根拠について説明させていただいたわけでございます。この部分につきましては、GISデータ化等の準備を進めておりまして、実績に加え、今後対象とする予定地等をホームページ上で公表する準備を進めているところでございます。いずれにしましても、この1,500ヘクタールを含む4,300ヘクタールというもともとの数字につきましては、前回の繰り返しになりますけれども、リモート技術でまず対象箇所を抽出し、市町村と地域振興局で必要な箇所の現地調査を行っております。また、調査の結果を受けて、今度は市町村が里山整備方針を策定します。これは全市町村が策定しているものになります。みんなで支える里山整備事業とは、防災・減災の間伐を進めるための事業でございますけれども、里山整備方針を立てた森林について、森林づくり県民税を当てるという決まりになっておりまして、その中から優先順位をつけた場所の面積が、4,300ないし1,500ヘクタールという数値に反映されております。いずれにしましても、今年度中にはホームページ上で地図データのような形で表示したいと考えております。 ◆中川博司 委員 現在では明確になっていないけれども、今年度中には県民の目に見えるようにすると理解をしました。次の質問に移りますが、私は、税金を入れていくためには、森林の公益性や公共性を高めていく必要があると思います。先日、林務部に調べていただいたので私から申し上げますが、昭和30年代の木材は、杉でいえば1立米3万6,000円程度で取引されていたのが、今は1万円でしか取引されていません。当時のお金で取引されていれば、子供を学校に出すこともできたと思います。そういうことができていない理由は、結局のところ、外国産材を輸入しているからだと思うのです。本来は、木材を売ったお金で川上から川下まで回るということが理想で、これは佐々木委員からも言われていましたが、人件費や機械などの生産手段に係る費用、あるいは今回の再造林する費用が回収できていない現実が問題なのです。投下資本を回収することができる木材価格にして、輸入材には相当の関税をかけるべきだと私などは思うのですが、WTOやTPPでそれができない状態にあります。なので、国の政策である路網整備や機械導入に限らず、二酸化炭素の吸収源や湛水能力による防災・減災といった森林の公益的機能に着目して、森林環境譲与税森林づくり県民税といった税金を投入をする理由にしているわけです。ですので、森林整備事業についても、やはり公益性や公共性を高めていく必要があるのではないかと強く思うのです。先ほど来、熊本県や鹿児島県の視察をしてきたというお話が出ていますけれども、熊本県の製材所の皆さんは、最初は小さい組合でしたが、それを集約して大きい協同組合をつくって、それが製材会社になっているということでした。この時、私から常務理事の方に、需要がない中で木材を出荷するのも大変ではないかと質問をしたら、逆に、安定的な供給があってこそ安定的な需要があると、目からうろこの言葉がありました。そういう意味で言いますと、将来的には、森林組合は広域化してきていますし、販売も木材センターが協同組合化されています。製材についても、長野県の特性もありますが、税金を投入する以上は、一定の公益性や公共性を持つという観点から、集約化も念頭に置いていかねばならない時代ではないかと思います。その点についてお聞かせください。 ◎栩秋隆哉 県産材利用推進室長 まず一点、御訂正をお願いしたいと思います。今の木材価格の変遷についてですが、県の統計は昭和45年から始まりましたので、昭和30年代は国の統計を参考にいたしますと、まだ市場が安定していなかった中で、全国平均では1万円から2万円台の間で推移しておりました。その後、40年代に入って2万円台から3万円台に上昇し、昭和55年に、委員の御指摘のありました3万6,460円というピークを迎える形になりまして、その後は下落傾向に転じてございます。その上で、県内の製材工場の集約化等という御提案がございました。確かに、支援を受けて施設等の近代化等を図るという意味では、製材工場にも県産材の利用の担い手としての責務も当然発生していると考えておりますので、当然、我々としても、施設整備をした製材工場等においては、意識を高くして取り組んでいただきたいと考えております。その上で、製材工場間の体制づくりということでは、先ほど、池田委員の御質問に部長からお答えしましたように、既存の製材工場が900社から100社に減っているという現状の中で、いかにこの100社を生かしていくかという観点が重要かと思います。まずは水平の連携、あるいは垂直の連携といった形の体制づくりを行い、昨今の需要をしっかり確保しながら、山元の生産体制を強化し、安定した供給に結びつけていきたいと考えております。以上でございます。 ◆中川博司 委員 最後になりますが、これも9月議会の中で部長に質問しましたけれども、議会棟の前に県有林の木があります。200年後の県財政を展望して県有林がつくられてきたのかとお話をしたところ、部長からは、ゼロカーボンや生物の多様性の保持など、公益的機能も兼ねているという認識が示されました。本当に極端なことを言えば、山を持っていても儲からないという状況があるので、いっそのこと国が買い取って、3桁国道や国定公園のように、まさに公共のものにしたほうが、税金は使いやすいのかなと考えないわけでもありません。改めて部長のほうから、県民の皆様から貴重な税金をいただいて山を整備していくその意義について御所見をお聞かせいただきまして、私の質問を終わります。 ◎吉沢正 林務部長 ただいま、公益的な観点から、税を活用した森林づくりについての意義等について御質問をいただきました。9月の委員会のときにも委員から御指摘、御質問いただきましたが、県有林の機能に絡めて、かつての県土保全や水源涵養、近年においては二酸化炭素吸収や生物多様性といった公益的機能の維持に関するお話もさせていただきました。今回も、そうした観点から森林づくり県民税に関する条例の改正案を提出させていただいております。また、委員からお話のありました基本方針の中にもございますが、ただいま申し上げた長期的に望ましい姿を実現するためにも、再造林や防災・減災のための里山整備や、林業人材の確保・育成、木や緑により多くの県民の皆さんが親しむことができる里山づくりといった大切な取組に活用させていただきたい旨を、県民説明会等で県民の皆様に説明させていただいてまいりました。御指摘の財産所有の在り方等につきましては、課題として受け止めたいと思いますけれども、私どもも、貴重な税金を活用しながら公益的な機能を持つ森林を守り育て、整備を進めることの重要性を県民の皆様と改めて共有し、御理解をいただくことが非常に大事だと考えています。そういった観点からも、税を活用することになった場合の効果を県民の皆様に実感していただき、その期待に応えるような取組をしっかりと進めることが大事だと考えておりますので、そうした観点で、今回の条例を提案させていただきます。以上でございます。 ○小山委員長 午後2時40分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午後2時25分 ●再開時刻 午後2時40分 ○小山仁志 委員長 再開を宣し、委員の質疑等発言を許可した。 ◆毛利栄子 委員 では、私からもお願いします。昨日から今日にかけて、特に森林の整備について、人的な対応をどうするのかということでいろいろな議論がありました。主伐・再造林をこれからの期で大いに進めていく場合にやはり人手も必要になります。しかし、現実には1,500人前後でなかなか増えていかないということがありました。そういう中で、新規に参入していただくために、もちろん努力していただいていると思うのですけれども、例えばこの前、長野県建設業協会の皆さんと日本共産党県議団でもお話しさせていただく機会があったときに、建設関係でも人手が足りないというお話を伺いました。それについては、ハードの基盤整備をすることでどんなにいいことがあるか、ビデオを作って多くの人に見ていただくということをやっておられました。日本共産党の方でもそうしたビデオを多くの人に見せてやってくれなどと言われましたが、確かに、この仕事自身は公益的機能を担う大事な役割を持っているのに、それを周知せず、ただ単に就いてくれと言っても就きにくいと思うのです。どんなに夢ややりがいのある仕事なのかをアピールする取組はあまりしていないのでしょうか。 ◎千代登 信州の木活用課長 新規就業者向けにPRする取組についてのお尋ねでございます。建設業界でのビデオ作成というお話も今ございましたが、我々も視覚に訴えて、やりがいや夢、関心を持っていただくことが必要だと思いまして、昨年度、PRビデオを県で作成をしまして、様々なところで流して、関心を持っていただくという取組もやっております。 ◆毛利栄子 委員 そういえば私もネットサーフィンをしていた時に見たことがあるような気もします。そういった発信も引き続き取り組んでいただければと思いますが、端的に言えば農業と同じで、収入につながらなかったら、就業者が増えないというのは当然だと思うのです。そういう意味で、かねがね本当に不思議に思っていたのは、農業の新規就農者を増やす取組の中に、国や県の制度として、就農した場合の補助制度はあるのですけれども、林業はどうしてないのでしょうか。今年、林業労働力緊急確保対策奨励事業というものが入りまして、林業に携わっていただく方に対する人件費を出すという内容だったので、ちょっと注目していたのですけれども、この内容について御説明いただくとともに、活用状況についてもお聞かせいただけますか。 ◎千代登 信州の木活用課長 林業労働力緊急確保対策奨励事業に関する御質問でございます。その前に、農業には手厚い制度があってというお話がございましたが、農業と林業では、やはり業態の違いが大きくございます。農業は個人で経営をされるパターンが非常に多いということで手当てがされているのですけれども、林業の場合はそういったケースはほとんどなくて、多くは森林組合や林業事業体、林業会社に雇用される形になります。その関係でいけば、農業のほうとも同等に、例えば緑の雇用制度といって、1人につき100万円を3年間補助するという国の制度が活用されております。林業では、仕事でひとり立ちするまでに時間がかかることから、この辺をきめ細やかに対応しなければいけないということで、今年度から、国の制度に加えた奨励制度として、今申し上げました事業が始まったわけでございます。林業労働力緊急確保対策事業ですけれども、内容は、予算規模が1,440万円で、3か月以上の新規雇用に対して1人当たり36万円を上限に事業体へ奨励金を交付するというもので、始めて3か月分の給与の大体半額を補助する事業でございます。現在26人の申込みを受け付けておりまして、少なくともこの事業を活用した事業体や森林組合では、昨年度よりも雇用者が増加しているという状況でございます。中には森林の造林保育の従事者を雇用する例も見受けられまして、一定の効果があったものと考えております。以上です。 ◆毛利栄子 委員 今の事業は差し当たって3か月のようですけれども、そのまま体験的におやりになって、その後、常勤雇用という形で定着する可能性も大いにあるのでしょうか。 ◎千代登 信州の木活用課長 そのとおりでございまして、3か月お試しで雇用をして、その後の様子を見るということもあるのですけれども、3か月が過ぎた後は、次年度から、先ほど申し上げた国の緑の雇用制度等も使っていただき、年間1人100万円の3か年が研修期間という形で手当てがされます。そこに行き着くまでの期間をつないでいただくことにも活用できますので、いろいろな制度を使っていただいて、3か月でおしまいにならないように、制度を有効に活用して定着につなげていくために取り組んでいるところでございます。
    ◆毛利栄子 委員 分かりました。森林環境税の徴収は令和6年からですけれども、既に県と市町村に対して配分があるということで、その活用方法について、総務省や林野庁が毎年県や市町村の取組の状況を公表しております。その中で、先進事例が何ページにもわたって掲載されているのですけれども、令和4年11月の最新の事例を拝見したところ、例えば新潟県の柏崎市では、県外から来て柏崎市で働いてもらう場合に、雇用に係る費用から住宅手当も出すだけでなく、現場手当、安全衛生手当ということで、危険手当のようなものを支援した結果、一定の効果があったそうです。これを拝見したときに、森林環境譲与税は人件費にも使えるのかと初めて知ったのですが、県としても同様の取組ができるとすれば、市町村には多額のお金が配分されていくので、そういう使い方もしてもらいながら働く皆さんを増やしていくやり方があろうかと思うのです。そういう紹介やアピールを、ぜひやってもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか。 ◎柳原健 森林政策課長 森林環境譲与税の活用方法で、優良事例として国がいろいろと公表しています。今、御指摘にあった柏崎市の事例の他にも、例えば岐阜県の東白川村や岡山県の鏡野町にもありますけれども、どちらかというと引っ越しの手当や支度金、給与の一部に割愛して使っている事例が見受けられます。これは市町村の事業ですので、さきの柏崎市のものでいけば、県外からではなくて県内の他市町村から移った場合に対象になるのかは我々にもわからないのですが、長野県内の林業の従事者数を増やすという目標を持って、同様の取組を県でも実施できるかという観点で考えていきたいと思います。ただ、森林環境譲与税の使い道で全国的にも同様の事例が見えていますので、言い方は悪いですけれども、人材の奪い合いも起こりかねない状況になっております。どういう取組なら新規就業者長野県内に呼び込めるかというところをしっかり考えていきたいと思っています。 ◆毛利栄子 委員 ぜひ情報収集もしつつ、研究していただきたいと思っているところです。森林づくり県民税について伺いたいのですが、これも林野庁の資料で、全国の県や市町村それぞれに対していくら配分したという一覧表がありまして、長野県には約2億円弱、市町村には10億円が配分されていると示されております。これはまだ実際に徴収していないので、これよりも増えるということですが、令和6年から徴収するようになるとどの程度長野県に配分されるのか、既に状況として分かるのでしょうか。 ◎柳原健 森林政策課長 県に配分されている森林環境譲与税の金額についての御質問でございます。現在段階的に金額を増やしているところでして、これは平成31年、令和元年からスタートしています。最終的には令和6年に国民からの徴収が始まって、全国で600億円という総額になりまして、それを森林面積や人口、林業に従事する人の数で配分するという制度になっています。長野県には今1億8,000万円ほど来ていますが、最終的な金額として1億8,700万円程度になる見込みです。また、市町村分としては16億8,200万円ほどの金額が配分されますが、指標も変わりますので、現時点での見込みということで御理解いただければと思います。 ◆毛利栄子 委員 森林税で徴収する分は、個人県民税の上乗せ分と企業からの分であって、合わせると約6億7,000万円になりますので、3倍ほどの金額が森林環境譲与税から来ることになろうかと思うのですが、配分の仕方は全国的にも非常に不評です。人工林面積で5割、林業従事者数で2割、人口で3割ということで、実際森林など持っていない大都会に膨大なお金が渡り、公益的機能を保持しようと頑張っているところに配分が少ないということになるので、全国的にも見直しを求める意見書がかなり上がっています。国もやはりそのまま放っておくわけにはいかないということで、制度を変更する動きがあるのですけれども、何か他に情報は来ていますか。 ◎柳原健 森林政策課長 森林環境譲与税の配分についての御質問でございます。今年の夏に農林水産省から令和5年度の税制改正要綱が出されまして、その中で、森林吸収源対策を一層推進するための森林環境譲与税に係る所用の見直しの検討という項目が出されております。政府与党でも議論されているようですが、中身については把握してございません。ただ、夏に与党のプロジェクトチームが森林環境譲与税の関係の提言書をまとめておりまして、やはり山側のところに配分を厚くするように提言書をまとめられておられましたので、そういう趣旨で検討が進められているのかなと思っております。 ◆毛利栄子 委員 全国的な議論の流れを見ても、もっと同様の意見が増えてくるのではないかなと思われます。森林整備に係るお金も入り、やるべき仕事も県としてある中で、先ほど来の質問に戻りますけれども、いろいろなインセンティブを持ってやるにせよ、人員確保については取組が少し足りていないかなと思います。この間、御説明をいただいた中では、育林について季節労働者やアルバイトを活用するというお話がありました。しかし、山の仕事をしている方とお会いした際にそのお話をしたところ、再造林をそんなに軽く考えてもらっては困ると言われました。下草や植林にしても、やはり傾斜地で仕事をしなければいけないし、家の周りの草をビーバーで刈るような簡単なものではないと言っていました。確かに、にわか仕立てでやってもらうのは危険も伴うということもあります。今日の議論の中でも外国籍の労働者はどうかという話もありました。言葉の違いももちろんあるかもしれませんが、かなり高度な技術というか、注意を払ってやらなければいけないと言われていますが、現場で頑張っている皆さんの言い分も一理あります。午前中にも、ポット苗による育林といった話もありましたが、自分たちで山を請け負って、植林をし、下草を刈り間伐もして、そしていい山に育てていくというように、成長の過程を見届けながら頑張ることに喜びがある、ということもおっしゃっていました。そういう総体的な考えや皆さんの思いの中で、人手が足りないからその分、季節労働者を投入するという考えはいかがなものかと、お話を伺いつつ思ったのですが、その辺はどうでしょうか。 ◎千代登 信州の木活用課長 一時的な季節労働と造林、育林に関する質問でございます。私どもの将来の見方、方向性の中においても、決して簡単な作業だと考えているわけではございません。基本的には通年雇用で、育成された技術者が担うべきものと思っております。また、人を募って一気にやりましょうというよりも、今ある人工林はそれこそ50年前、60年前に30万ヘクタールを超える規模で一気に切って一気に植えて作られたわけですので、今後は技術者を中心に、徐々に進めていくことを基本として考えているところです。ただ、やはり夏場など、どうしても人手が不足する時期も出てくると思います。ほかの職業等と比べれば、育林は傾斜地での作業もありますので危険ですけれども、伐採、搬出といった数年の経験が必要なものに比較すれば、林業の中では従事しやすい業務という位置づけであります。過去の歴史を見ましても、拡大造林が盛んに行われた50年ほど前は、地域住民の皆さんに一時的に従事していただいておりました。今日もそのようなお話がありましたが、これが山村地域の貴重な収入源にもなっていたという状況もございます。そうしたことから、一定の安全管理も当然必要ではございますが、技術的には十分可能かなと考えてございます。一方、過酷な暑さの中の作業になりますので、労働時間の短縮といった柔軟な条件で従事できる環境を準備することが必要かなと思っております。以上です。 ◆毛利栄子 委員 いろいろ注意しながらできないことはないということでした。ここで、新たな森林づくり県民税を5年間やられる方向で決まった場合、実際どれだけのお金が山づくりにかけられるかと考えたときに、森林づくり県民税に加えて通常の国庫補助があります。また、先ほどお話しさせていただいたように、市町村には今までのほぼ何倍かというお金が入ってくるということで、従来はいろいろやりたくてもお金がないことがあったかと思いますが、今度は、人手がない中で、逆にお金を使いたくても使い切れないという問題が出てきてしまうのかなとも思われますが、どうでしょうか。 ◎柳原健 森林政策課長 いろいろな財源で今後の森林づくりを進めるという御質問でございます。確かに、これからいろいろな財源が入ってきますが、森林づくりにまだ手が加わっていないところもあります。新たに始まった森林経営管理制度という市町村が行う事業は、新しい行政需要として財源がうまくついてきているものでございます。人手のところはよく吟味し、生産性を上げながら実施していかなければいけませんし、森林県であります長野県としては、こういった財源を最大限活用しながら森林整備を進めていきたいと思っています。今後の財源がどうなるのか、なかなか見通せませんけれども、今ある財源を活用しながら最大限取組を進めていくということでお答えとさせていただきたいと思います。 ◆毛利栄子 委員 森林づくり県民税で確保された6億7,000万円の使い道もいろいろありますが、市町村が使える森林環境譲与税も柔軟であることが分かってきたので、6月議会、9月議会と通じて、改めて超過課税ということでやらなくてもいいのではないかという議論もさせていただきました。例えば、市町村が森林環境譲与税を使う場合にも、持ち主不明の森林も含めて、地籍調査もして、所有者を確定し、集約しながら事業を行うという山づくりが多いはずです。そのように見たときに、市町村が事業を実施する場合には、経営管理権集積計画を立てなければいけないと言われているのですが、これもなかなか大変な作業だと伺っております。そういう作業に対する支援については、どのようなものがあるのでしょうか。 ◎柳原健 森林政策課長 今の森林経営管理制度に基づくフローのお尋ねでございます。これは、これまで手入れがされなかった森林を、市町村が主体となって、あるいは場所のいいところであれば事業者に委託をして、事業者が手入れをするという制度でございます。市町村に任せるか、あるいは事業者や森林組合に任せるかといった意向調査をして、それを集積して配分し、施業に結びつけていくという過程で、先ほど委員おっしゃったような経営管理権集積計画という計画をつくっていきます。今の木曽ではかなり大きい面積の計画を立てていますが、そのほかの9の広域では、意向調査をして、ようやく少し計画を立てるところが出てきたというところでございます。また、今までの財産権を少し踏み込むような形で、本格的な施業に向けた管理を市町村が行っていく制度ですので、一定の手続は必要になりますが、手続に対しては、県も、国が出しているマニュアルにさらに詳細な解説を加えたものを出すという支援もしていますし、県の支援センターでは、この制度全般を支援するような形で人的なサポートもしています。これから本格的な制度が進んでいきますので、その時々でいろいろな課題をお聞きしながら進めていますけれども、やはり新しい取組ですので、一定の水平飛行になるまでには様々な難題にぶつかって、トライアル・アンド・エラーを繰り返すところもあるかもしれません。県も市町村の支援という形で森林環境譲与税をいただいていますので、そういったところを一つずつ事例として積み重ねながら、制度をしっかり運用できるように活用しながら進めていきたいと思っています。 ◆毛利栄子 委員 県の森林づくり県民税は、ここで4期ということですけれども、2期のときにかなり議論になったのは、徴収した額をそっくりそのまま使うことができず翌年に回すことがあったという点です。当初の森林づくり県民税に関わる条例の中では大規模な間伐が主眼だったと思うのですけれども、そういう中で、実際は運用の在り方を変えながら実施してきたということがありました。いろいろな御報告を見させていただくと、繰り越してきたお金も、それから基金も全てここでゼロになるようですけれども、過去のことを考えた際に、また同じ状況にならないか心配になってしまいます。人手も少ないけれども、すぐに人が増えるわけでもない。臨時的な雇用をやっていくにしても、環境を一気に変えるのも厳しいかなと思うと、やはり同じような感じにならないか、非常に心配です。そのことを申し上げさせていただいて、質問を終わらせていただきます。 ◆宮下克彦 委員 お願いします。森林づくり県民税に関連する質問をさせていただきたいと思います。今回4期目ということで、主伐・再造林を中心として進めていくということですけれども、地元の森林を見ますと、民有林等中心にまだまだ間伐が進んでいないところもございますので、ぜひ資料にありますようにきめ細やかな里山の整備についても引き続きお願いしていきたいと思います。あと、主伐・再造林を進めていくにあたり、ガイドラインを作成することは大事だと考えます。新しい長野県森林づくり指針についても、その後ろにある大きい方向を示すものとして大事になってくると思いますので、ガイドラインについては、各委員からお話がありましたけれども、更にきめ細かく考えていく必要があると思います。このように、地域の主伐・再造林を進める上で、地域の労働力がどれだけあるのかということもしっかりと吟味していただきたいです。過去には、計画が大雑把で、地域における労働力の規模を把握していなかったために、間伐がなかなか進まない時期もありましたので、そういうことのないように、ぜひガイドラインを検討していただきたいと思います。今年度中にということですので、新しい長野県森林づくり指針と主伐・再造林ガイドラインについて、1月から3月にかけてどのように進めるのか、それだけ聞いておきたいと思いますので、お願いいたします。 ◎柳原健 森林政策課長 まず、今お尋ねのあった指針に関して、スケジュールだけ御報告させていただきます。今回5か年計画に合わせて指針を改定しています。その前段で、今回のような森林づくり県民税の更新期を迎えておりますので、課題の整理等これから取り組むことについては基本方針に書き込んでございます。指針については、今後10年を見据えた森林政策全般の計画になりますけれども、今回の基本方針の内容を十分反映しながらつくっていくということで、今回素案という形で御説明をさせていただきましたが、またこれから数値目標などを決めながら、今年度中の策定を目指しております。足りない部分を補いながら、年明け1月以降にパブリックコメントを取れるように作業を進めているところでございます。 ◆宮下克彦 委員 ありがとうございました。ぜひよろしくお願いします。今、長野県には主伐期を迎えたカラマツ等の大きな集積があるということですが、森林づくり県民税を使って主伐していくということですので、非常に大きな変革点になると思います。森林環境譲与税森林づくり県民税を使って、ぜひ林業事業体の効率化も進めていただいて、もうかる林業を実現していただきたいと思います。長野県木材協同組合連合会の話でもありましたし、九州の状況も見てきましたけれども、もうかる林業になりますと、人材も集まってきますし、うまく循環していきます。そのためには、税金を使った効率化や、費用の低減を図っていくことが重要かなと思います。それからもう一つ、大手の資本が九州では入っていましたので、その辺をどうにか導入し、地元の製材業者とうまく整理をし、県の林務部で調整していくことも大事かなと思いますので、ぜひもうかる林業につきまして、部長の見解をお聞きして終わりにしたいと思います。よろしくお願いします。 ◎吉沢正 林務部長 ただいま林業振興に向けた、大手資本の参入も含めたもうかる林業に向けた取組ということでお尋ねをいただきました。その前に、宮下委員からお話のありました森林づくり県民税を活用したガイドラインも含めたきめ細かな取組につきましては、やはり主伐・再造林もそうですけれども、やれる場所も含めて、段階的、計画的に、そこに合わせて人材の確保も考えながら、無理のない計画で進めていけるように気をつけていきたいと思います。また、御質問いただきました大手資本の参入も含めた検討ですけれども、私どもの方でも有効な手法の一つだと考えております。また、同時に、今日も各委員からお話がありました既存の事業者による地域内の経済循環の仕組みも非常に大事であって、その地域の実情に応じた取組の展開との兼ね合いも考えながらやっていくことが大事かなと思っております。そうした中で、委員会の皆様に御視察をいただいた実際の工場や事業所そのものではありませんが、長野県も今、住友林業株式会社と連携協定を結ばせていただいております。今のところは人材の交流や研修の実施、あるいは林業や木材産業の振興に関する様々な情報交換や、今後の林業に関する技術研究といったものを始めさせていただいています。そうした連携の中で、様々な分野から今後の林業振興の取組についての研究を進めていきたいと思っております。以上です。 ◆宮下克彦 委員 ありがとうございます。大きな変革点ですし、可能性が大きいと思いますので、御期待申し上げますので、よろしくお願いいたします。 ○小山仁志 委員長 ほかに御発言もありませんので、以上で質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 御異議ありませんので、質疑を終局いたします。  ただいまから議案の採決に入ります。最初に、第1号「令和4年度長野県一般会計補正予算(第4号)案」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第7款 農林水産業費、第4項 林業費、第12款 災害復旧費、第2条「第2表 繰越明許費補正」中の一部について、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、第7号「長野県森林づくり県民税条例の一部を改正する条例案」を採決いたします。本案中、総務企画警察委員会に関連のある部分につきましては、総務企画警察副委員長から原案のとおり可決すべきものと決するに異存ない旨、回答がありましたので報告いたします。本案について、討論がありますか。 ◆毛利栄子 委員 県土の8割を占める森林はきれいな水や空気を育み、土砂災害防止や地球温暖化防止等多面的な機能を有し、木材等の林産物を与えてくれるなど、暮らしに欠かせない役割を果たしています。これらの機能を未来にわたって持続的に発展させ、健全な形で次の世代に引き継いでいくためには、継続的な森林づくりが重要であることは言うまでもありません。平成20年度から超過課税として森林税が導入され、3期にわたって里山の整備を中心に活用され、一定の成果を上げてきたことは理解します。しかしながら、県民アンケートでも、名前や税額、使い道がよく分からないという方がほぼ半数となっている現実や、令和6年から森林環境税が1,000円徴収となること、さらに、コロナ禍に加え異常な物価高騰の下で県民の暮らしが一層厳しさを増していることなどを勘案すれば、今ここでさらなる延長が果たして妥当なのか疑問を感じざるを得ません。加えて、4期の方向性として、間伐を続けながら主伐、搬出をやり、再造林を行うためには、支える人材の確保が大きな鍵を握りますが、林業労働者は年々減少傾向にあり、季節労働者やアルバイトなど多様な担い手を確保するといっても現実的とは思えません。そのような下で、森林税に加え森林環境譲与税、国庫補助など、トータルすればかなりの規模の財源となり、有効に使い切れるのか、予算消化がきっかけとなり不正に発展した大北森林組合事件の二の舞にならないかと懸念されます。知事から子育て支援税導入の話も出ており、森林税が先導役となり、安易に超過課税が広がるのではないかということも気がかりです。以上申し上げ、条例改正案には反対いたします。 ○小山仁志 委員長 以上で、討論は終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、討論を終局いたします。  本案を挙手により採決いたします。念のため申し上げます。挙手しない方は、本案に反対とみなします。本案を原案のとおり可決すべきものと決するに賛成の委員の挙手を求めます。     〔挙手多数〕  挙手多数であります。よって、本案は、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、第26号「令和4年度長野県一般会計補正予算(第5号)案」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第7款 農林水産業費 第4項 林業費、第2条「第2表 繰越明許費補正」中の一部、第3条 債務負担行為の補正中の一部について、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  ただいまから陳情の審査を行います。当委員会に付託されております林務部関係の陳情を議題といたします。過日、お手元に配付いたしました審査資料を御覧願います。林務部関係の陳情は、継続分3件、新規分9件であります。  なお、審査に際し、継続審査とする旨の御発言をされる場合は、なるべくその理由を一緒に述べていただくようお願いいたします。また、願意が複数ある陳情で、その一部が採択できないために、継続審査と決定した場合は、付記事項として陳情者に通知することについて、その都度、お諮りすることとしたいと思いますので、御了承願います。  審査手順について、あらかじめお諮りいたします。最初に、継続となっております3件の陳情を、続いて新規の陳情9件について、順次、審査をお願いしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  まず、継続分の審査を行います。継続分の審査に当たっては、9月定例会以降状況に変化のないものについては、一括して審査を行い、状況に変化のあるものについては、取り出して審査を行うことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。 ○小山仁志 委員長 それでは、継続審査となっております陳情3件について、状況に変化がありましたら、理事者から説明願います。 ◎柳原健 森林政策課長 継続審査になっております陳情3件のうち、陳第727号及び陳第739号の2件につきましては、森林づくり県民税の継続や本県民税を活用している事業に一部関わる陳情でございます。今回、上程してございます条例の改正におきまして、森林づくり県民税の継続や事業の見直しを行っておりますことから、これに関係する状況に変化がございます。説明は以上でございます。 ◆鈴木清 委員 確認だけお願いします。陳第729号、ツキノワグマの捕獲強化についてですが、執行部の見解は状況に変化なしということだけれども、どのような場合に判断が変わるのか、御見解をお願いします。 ◎小澤岳弘 鳥獣対策室長 陳情第729号、ツキノワグマの捕獲強化についてですけれども、こちらの陳情の中身につきましては、熊の錯誤捕獲の際、再捕獲の個体は捕殺できるようにしたいという要望でございます。これについては、錯誤捕獲はあくまでも許可されていないものの捕獲ということでございますし、原則放獣ということで変わりはございませんので、あくまでもこちらの考えは変わらないというところでございます。 ◆鈴木清 委員 錯誤捕獲と言っているけれども、全般的に熊の個体数がライチョウと違って増えているのは事実です。それが、柿といった果実を収穫しないままでいたり、いろいろな環境の変化もあって、里に降りてきてしまうということです。ただ、あくまで一般論になりますが、交通事情が変わってきて、地域の人が信号を設置してほしいと要望があるのと同じだと思うのです。軽微な事故の場合はなかなか信号設置を認めてくれないけれども、残念ながら死者が出た場合は、これはいけないと、PTAや区長会、交通安全協会で交通量調査も実施します。要は死者が出た場合はすぐ信号を設置するというわけです。ツキノワグマのことと比較すること自体無理な話ですけれども、逆に、熊による人的な被害が散見し、報道記事で、熊によって被害が大きくなった、気をつけなければいけないという世論が形成された場合はかじを切られるということなのでしょうか。というのは、一旦捕獲したものを、法律上で言えば、諭旨免職で辞めさせたら犯罪を起こしてしまったようなものです。悪さをして、一度捕獲したのちに放獣した熊が、また同じ過ちを犯すなら、これは錯誤と言えるのでしょうか。 ◎小澤岳弘 鳥獣対策室長 委員今御指摘のあった放獣部分ですけれども、いわゆる学習放獣とまた違いまして、錯誤捕獲の場合というのは、あくまでも認められていない獣種が捕れてしまった場合のことでして、通常の放獣とは区別して考えたいと思います。御指摘があったように、例えば生息数が増えて、里に増えてきていて、危険性が大分高まっている場合については、通常の許可捕獲という場合に該当するので、危険な熊についても除去していくことになりますけれども、ただ、今回錯誤捕獲につきましては、どうしても法的な決まり事もございますので、そこは区別して考えたいと考えております。 ◆鈴木清 委員 よく分からないけれども、林務部としてはそういう見解で、部長も知事も同じ認識だということですね。了解しました。 ○小山仁志 委員長 ただいま、状況に変化あるとされました陳第727号及び陳第739号につきましては、取り出して審査いたします。まず、陳第727号についてであります。理事者の説明は、いかがいたしましょうか。       〔「不要」との声あり〕  本件について、質疑等ありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で、質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。       〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま、採択との御意見がありましたので、陳第727号については、採択すべきものと決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、陳第739号についてであります。理事者の説明は、いかがいたしましょうか。     〔「不要」との声あり〕  本件について、質疑等ありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で、質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。       〔「採択」・「不採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま、委員各位から様々な御意見がありましたので、この取扱いについて、順次挙手により決することといたします。  これより、本件について、採決をいたします。本件について、討論がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕  発言がありませんので、討論を終局いたします。  これより、陳第739号について、挙手により採決いたします。念のため申し上げます。挙手しない方は、不採択とみなします。陳第739号を採択すべきものと決するに賛成の委員の挙手を求めます。     〔挙手多数〕  挙手多数であります。よって、陳第739号は、採択すべきものと決定いたしました。  それでは、特に状況に変化のない陳情1件を審査いたします。お諮りいたします。陳第729号については、引き続き継続審査とするに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  続いて、新規の陳情の審査を行います。まず、陳第766号についてであります。理事者の説明は、いかがいたしましょうか。       〔「不要」との声あり〕  本件について、質疑等ありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で、質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。       〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま、採択との御意見がありましたので、陳第766号については、採択すべきものと決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、陳第796号及び陳第828号は、同一の願意でありますので、一括して審査いたします。理事者の説明はいかがいたしましょうか。       〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。       〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第796号及び陳第828号については、採択すべきものと決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、陳第797号及び陳第829号は、同一の願意でありますので、一括して審査いたします。理事者の説明はいかがいたしましょうか。       〔「不要」と呼ぶ者あり〕  本件について、質疑等ありますか。
          〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。       〔「採択」・「不採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま、委員各位から様々な御意見がありましたので、この取扱いについて、順次挙手により決することといたします。  これより、本件について、採決をいたします。本件について、討論がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕  発言がありませんので、討論を終局いたします。  これより、陳第797号及び陳第829号について、挙手により採決いたします。念のため申し上げます。挙手しない方は、不採択とみなします。陳第797号及び陳第829号を採択すべきものと決するに賛成の委員の挙手を求めます。       〔挙手多数〕  挙手多数であります。よって、陳第797号及び陳第829号は、採択すべきものと決定いたしました。  次に、陳第853号についてであります。理事者の説明は、いかがいたしましょうか。       〔「不要」との声あり〕  本件について、質疑等ありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で、質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。       〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第853号については、採択すべきものと決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、陳第872号についてであります。理事者の説明は、いかがいたしましょうか。       〔「不要」との声あり〕  本件について、質疑等ありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で、質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。       〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第872号については、採択すべきものと決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、陳第873号についてであります。理事者の説明は、いかがいたしましょうか。       〔「不要」との声あり〕  本件について、質疑等ありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で、質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。       〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第873号については、採択すべきものと決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に、陳第874号についてであります。理事者の説明は、いかがいたしましょうか。       〔「不要」との声あり〕  本件について、質疑等ありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕  以上で、質疑を終局いたします。  この陳情の取り扱いは、いかがいたしましょうか。       〔「採択」と呼ぶ者あり〕  ただいま採択との御意見がありましたので、陳第874号については、採択すべきものと決するに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  以上で陳情の審査を終局いたします。  以上で林務部関係の審査を終局いたします。  次に、本委員会関係の閉会中継続調査事件は、お手元に配付いたしました資料のとおりとし、なお慎重に調査を要するための理由を付して議長に申し出たいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  次に委員長報告について、何か御発言がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕 それでは正副委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、さよう決定いたしました。  この際、何か御発言がありますか。       〔「なし」と呼ぶ者あり〕  閉会を宣した。 ●閉会時刻 午後3時38分 △採決結果一覧(林務部関係) (付託議案)  ▲原案のとおり可決すべきものと決定したもの(簡易採決)    第1号 令和4年度長野県一般会計補正予算(第4号)案中     第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中      歳出 第7款 農林水産業費          第4項 林業費         第12款 災害復旧費     第2条「第2表 繰越明許費補正」中の一部    第26号 令和4年度長野県一般会計補正予算(第5号)案中     第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中      歳出 第7款 農林水産業費          第4項 林業費     第2条「第2表 繰越明許費補正」中の一部     第3条 債務負担行為の補正中の一部  ▲原案のとおり可決すべきものと決定したもの(挙手採決)     第7号 長野県森林づくり県民税条例の一部を改正する条例案 (陳情)  ▲採択すべきものと決定したもの(簡易採決)    陳第727号、陳第766号、陳第796号、陳第828号、陳第853号、陳第872号、陳第873号、陳第874号  ▲採択すべきものと決定したもの(挙手採決)    陳第739号、陳第797号、陳第829号  ▲継続審査としたもの(簡易採決)    陳第729号...